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ノルウェイ研修レポート

男女共同参画スタディーツアー

ノルウェー女性の生き方を探る旅

2011年10月17日〜23日

主旨

男女共同参画と女性の地位向上に資するため、世界 1~2 の男女平等国 家と言われるノルウェーの女性や男性の生き方から学ぶ

目的

男女共同参画社会をめざして、先進地を視察し、関係者からの研修を受 け研績を積む

研修先

オス口市=ノルウェー国営放送 NRK

子ども・平等・社会省

ノーベル平和センター

オスロ大学キャンパス内の保育園

オス口市議会

国会議事堂

ナショナル・ギャラリー

コングスウィンガー市=国立女性博物館

オーモット市=国立教会

保育園

小学校

国立ヘードマルク大学

健康ケアセンター(特養ホーム)

文化教養センター (図書館、コンサートホール)

市庁舎

ホームビジット

 

※研修先の一部がページ内リンクメニューとなっています。

日程

2011年10月17日〜23日

主催

とちぎつばさの会有志海外研修実行委員会

企画協力

フェミニスト評論家・元東京都議会議員 三井マリ子氏

元ノルウェー大使・白鷗大学客員教授 河合正男氏

元ノルウェー韓国大使  劉氏

 

10/17

成田空港を発ってから約 12時間オスロ空港に到着(時差 7時間)

10/18

ノルウェー国営放送NRK

人事・ニュース・ジャーナリスト・技術アシストを担当する女性職員

 

3600人の職員のうち女性は45%で女性の進出めざましい。管理職=30%、編集局=42%、管理部=46%

 

「ダイバーシティ委員会」において男女平等意識を促している

 

子ども・平等・社会省

アルニホーレさんより話を聞いた。

 

「子ども・平等・社会省」は、ノルウェイの20ある省のひとつ。男女平等を進め、差別人種・年齢・性別の平等をつかさどる。不公平をなくし、障がい者、家族、子どもや 若者の権利を拡充し、だれもが社会で活躍できるような政策を推進する、ノルウェーの男女平等推進機構の国の機関。

 

男女平等が比率としては世界でトップ。現内閣は50%が女性。すべての子どもは保育園に入る権利があり、母親の有給育児休暇は 1 年。父親育児休暇は12 週間。95%の父親が育児休暇を取る。出生率1.95。 両親が就労することで納税し、社会保障が充実。保育園の充実、病気時各両親に子ども 1 人につき 10 日の有給看護休暇。

 

1979 年男女平等法施行。 国、県、企業は、年次報告義務あり。民族、宗教、障がい者の差別禁止。

ノーベル平和センター

3女性の写真(いちばん下)は今年のノーベル平和賞受賞の女性3人のもの。ノーベルの遺言により平和賞授与だけはノルウェーで行われる。

10/18

オスロ大学内の保育園

子どもを持つ学生向けの保育園。700人の子どもを70人の保育士が担う。男性10人、女性60人。豊かな幼年時代を過ごすと 自分自身に自信が持てる。 男女平等、人を大切に、愛情を受け、家庭的な雰囲気。子どもはそれぞれ価値ある人間、相 手をいたわる努力の実行。 親と職員が密な関係を保つ。写真左はネストマーリー園長。

オスロ市議会

マティルダ・フォンシドウさん(労働党 政務アドバイザー)応対 。地方型議院内閣制、9 月に選挙があ った。保守連立(保守と進歩党)、労働党議員18人中11人が女性。議会での女性の発言は90%にもなる。代理議員制度がある。フルタイム議員5人、その他の議員は仕事を持っている。代理議員制度。

上はオスロ市庁舎。その1階ロビーで撮影したのが左の写真。12月10日、ノーベル平和賞授賞式会場となる。

ノルウェー国会議事堂

労働党マーリット・ニーバック議員と面談。5人いる副議長のひとり。25年間国会議員を務める。国・地方とも比例代表制選挙で候補者。個人でなく、支持する政党を選ぶ。政党が獲得した票数で、政党から何人が当選するか決まる。政党別候補者リストの登載順番は男女交互で、比率はほぼ半々。

1960年~70年代に女性解放運動が起こり、女性が政治の中に入っていった。

ノルウェーは国・地方ともに比例代表制選挙で、有権者は候補者個人ではなく、支持する政党を選ぶ。政党が獲得した票数でその政党から議員が何人当選するかが決まる。政党別の候補者リストの登載順番は男女交互で男女比はほぼ半々となっている。

 

国会議事堂はオスロ市内の一角にあり、特別に塀があるわけでもなく、日本のように何重もの厳重なチェックもない。正面玄関に入り金属探知機を通り手荷物を預け、あらかじめ訪問許可を取っていたので、受付をとおり会議室に案内された。

 

会議室に入り、まず最初に目に入ったものは、大きくスライドに映し出されたニューヨークタイムズに掲載の記事だった。それは、スカンジナビアの男性が、小さな子どもを背負い、犬を連れている写真でした。育児休暇を取って育児をしているパパの姿だ。育児は男性も担っているという意味だ。

 

労働党の女性国会議員マーリット・ニーバック氏が応対してくれた。マーリット・ニーバック議員は5人いる副議長の1人で、25年間国会議員を務めるベテラン中のベテランである。男女平等政策、女性の地位

向上に力を注いできた。現在、子ども2人は成人しているが、子育て中は、夫が保育園の送迎をして、二人で分担しながら育児をしてきたそうだ。ノルウェーは国全体が貧しく、1950年代の女性の就労は低かった。もちろん政治家の女性の比率も6%前後で低い時代だった。1960年~1970年代に女性解放運動が起こり、政治の中に女性が入っていったことが現在のノルウエーの姿になった原動力だ。

 

1814年最初の国会が開催され、婦人参政権獲得の2年前の1911年には女性初の国会議員が誕生し、1971年には地方議会においても女性議員が誕生した。

 

男女平等政策・女性政策に力を入れ、さらに女性議員を増やした。そして、女性の就労率をあげるため保育園を充実させ、ケア(人の世話)を重点施策にして出生率もあげ、今日では母親の就労は87%になっている。

 

1985年に一方の性が40%を下らない割当て制(クオーター制)を導入し、国会・地方議会で、40%の女性議員誕生を実現させた。

 

「女性はやれるんだ」

 

を合言葉に話の仕方やディベート術を学び、移民の国でもあるので、誰もがわかるように50ヶ国語で翻訳した本を作成し勉強した。

 

1986年には女性の首相が誕生し、世界各国からジャーナリストが殺到した。「価値ある変革」であり、「女性が動かしている」と報道された。そして、男女の両方の才能を開発し、男女平等を重要政策として、労働環境法を作り、女性の就労促進、差別禁止、昇給等、労働組合活動も活発になった。

 

ただ一つ遅れている分野は、伝統的な仕事の職種で、男性が主、女性が補助という考え方がいまだに残っているそうだ。現在、暴力・売春の禁止法も制定され、女性運動が活発になり、イランやサウジ・アフガンの女性への対外援助にも力を入れている。マーリット・ニーバック議員はノルウェーで女性に生まれたことを、たいへん幸運に思っているということである。ただ、この女性運動で勝ち取ったものが、簡単に逆転してしまうのではないかという心配もある。これからも権利として自信を持って推し進めていくことが必要だという言葉が印象に残った。

10/20

国立女性博物館(コングスヴィンガー市)

イング・オスティグル副館長の話によると、スピーチテーブルは世界で3つ。その一つが仙台市にある。

 

1997 年に国の予算で国立女性博物館になった。女性の歴史、女性の視点から見る博物館が増えることを願っている。男女のバランスの取れたミュージアム展示を望む。毎年展示を変える。考えさせる内容にする。イング副館長さんは市議会議員。女性博物館のホームページに女性票を上げるキャンペーンで、女性議員を増やすべきという記事を掲載した。

上の2枚は、それぞれ、女性博物館のレストランでの昼食、女性博物館の外観。下の2枚は、オーモット市にある国立教会。

女性牧師誕生は1961年。当時は女が男たちの神聖な領域に入り込むのはとんでもないと猛反対された。女性を排斥してきた歴史を塗り替えるために女性たちは運動を続け、牧師への女性の道を少しずつ開いていった。

オーレ・グスタフ・ナルッド宅へホームビジット

2003年から8年間オーモット市長を務めた。現在は国立ヘードマルク大学の准教授兼市議会議員。妻のマグニさん(国立ヘードマルク大学図書館館長)とともに私たち20名を自宅に招いてくれた。二人で射とめた、ヘラジカの手料理をご馳走してくれた。 下の右1枚目はご一緒された三井マリ子さん。

オーモット市庁舎(市議会)

ノルウェーを変えた「髭のノラ」の作者三井マリ子氏の同行により、オーレ・グスタフ・ナルド氏の協力が得られた。彼は2003年から8年間、オーモット市の市長だった。自宅に招かれ、妻のマグニさんと、二人で射止めたヘラジカの手料理をご馳走してくれた。暖炉の柔らかな暖かさとキャンドルの炎があり、素敵な時間を過ごすことができた。翌日、オーモット市議会を案内していただいた。まず議場に入りびっくりした。なんと普通の椅子とテーブルがあるだけの質素な部屋だった。もう少し議場らしく近代的にすべきという議論もあったそうだが、保育園、小中学校、高齢者施設に予算を回したいという市民の声が強く、市民生活を優先している。また、フルタイムの報酬受給者は、市長 1 名だけで、他の議員は会議費程度の手当てで報酬はないボランティア議員である。仕事を持っているため夜間の議会開催になるそうだ。最後に、オーレ・グスタフ・ナルッド氏は、「社会を変えるのはそこに住んでいる市民です。特に女性が変えていくのです。女性が政治に参画することで、初めて改革が可能となるのです。市民からの変革しかありえません。みなさん頑張ってください」と私たちにエールを送ってくれた。 今回の参加で、男性と優先順位が違う女性の視点は思っても見ない力があると確信した。だから、女性が行動を起こし、しっかりと政治の中に入っていき、そこに若者も引き込み、ともに変革していかなければと奮起させられた。この 30 年間実践してきたノルウェーの女性たちに心から敬服するとともに、私に大きな一歩を踏み出す覚悟を与えていただいたことに感謝する。

 

写真左=新旧の市長、オーモットオ市議会の議場。

 

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